iPadは使いにくい?

先日、大学時代のゼミ(研究室?)の研究発表会に行ってきました。


ざっくり言うと、コンピュータをもっと使いやすくするためにはどうしたらいいか、という研究です。時節がら、iPadを題材にした研究が数件ありました。どれも非常に興味深かったです。


紙、PC、iPadを使って、大学生に病院のカルテ処理の課題をさせ、それぞれについて課題の再認テストをし、最後に感想を聞く、という実験をした方が居ました。


すると、課題ではiPadに「理解」「侵入・誤再生」での有意な障害がみられ、感想では紙は「使いやすい・読みやすい」、PCは「検索しやすい・頭に残りやすい・作業しやすい」という感想が得られたのに対し、iPadは「クリック(タップ)動作に正確性が無い」「動作が遅い」「誤字を見つけにくい」などの指摘を受け、散々な評価しか得られなかった、とのことです。


全世界で1,500万台も売れたiPadですが、まだまだ本当の意味でユーザに溶け込んでいるとは言いがたいようです。

しかし、熱烈なiPad信者(笑)による「課題そのものがiPadに不利」「大学生は日常的にiPadに触れていない」という意見や、「記憶テストではデバイスによる優位な差が無かった」との結果も出ていたらしく、今の段階で「iPadは使いにくい」という結論を出すにはまだまだ早いです。



自分の仕事はまさにこういう分野。あらためて振り返ると携わり始めてからもう10年以上。生まれたばかりの新しいデバイスの成長をリアルタイムで知ることができる、その最先端の場所に身を置くことができている。そしてなにより、過去に還るための場所がある。
なんつうか、幸せなんだなーとあらためて気付かされた一日でした。先生と仲間たちに感謝。