* 刑事的萎縮効果による技術停滞 岡崎図書館事件

技術者(自称)としてこの事件は見過ごせない。


要約すると。。。
市立図書館の図書貸出システムが使いづらいので、貸出システムを巡回して使いやすくするシステムを作って使っていた人が、ある日突然「システムに攻撃を加えた」として逮捕された。
セキュリティに詳しい技術者が調べたところ、三菱電機情報システムが開発した当該システムに「軽微なアクセスでもシステム障害を起こす」「個人情報が誰にも閲覧できる状態のままになっている」という欠陥が発見された。(暫くしてから、同じシステムを導入していた図書館で個人情報漏洩事件が起きた)

その後被疑者は「嫌疑不十分」ではなく「起訴猶予」とされた。つまり「被疑事実が明白」であると判断されてしまったとのこと。

それを受けて、類似のシステムを作って公開していた技術者が、逮捕を恐れてサービスを停止した、というもの。


技術者視点で見るかぎり、非は100%三菱電機情報システムにあると思う。おそらく誰もこのシステムの内部について理解していなかったのだろう。愚の骨頂。
そして、この過程を見るかぎり、それを理解せずに起訴猶予処分を行った検察も、それを後押ししてしまったものと思わざるを得ない。


技術を知らない人の無理解によって、日本のIT産業はさらに国際的に出遅れることになる。日本の常識は世界の常識ではない。「気遣い」が重んじられるのは日本の良いところだが、狭い世界で片付けられた物事は大きな世界にも多大な影響を与える。世界は大きくも回っているのだということを理解していただきたいものだ。